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公民館の風第213号(通算845号)

=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=* 公民館の風 No.213(通算No.845)                                 2014年12月31日発行       編集・発行  内田光俊 (mitsutoshi@u.email.ne.jp) -------------------------------------------------------------------------------------------------------- ◆飯田研究会の記録◆自治と協働研究集会◆公民館-CLC動画◆新聞記事等 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=

■◆  「解体新書塾~公民館・地域自治のありようを問い直す            自治体間共同研究~飯田研究会」の記録   ◆■

 飯田市公民館の木下です。本日(12/25)付で飯田市のHPに、10月18日(土) から20日(月)にかけて開催した「解体新書塾~公民館・地域自治のありよう を問い直す自治体間共同研究~飯田研究会」の記録を掲載しました。 https://www.city.iida.lg.jp/soshiki/40/kaiataishinshojoku.html この事業の開催のねらいや成果、課題、今後の展開について次のようにまと めさせていただきました。次は2月21日(土)、22日(日)に尼崎で行われる研究 会にバトンタッチします。  研究会へは、「学び」を基盤に「住民主体の取組を行政が支える」自治体 の組織改革と、職員の意識変革を目指す自治体の組織的な参加を基本と考え ています。なお、興味関心のある研究者の皆様の参加もお待ちしています。  「飯田型の公民館の仕組みや考え方を飯田以外の地にも移転する」牧野市 長の高いハードルの宿題から始まった「解体新書塾~公民館・地域自治のあ りようを問い直す自治体間共同研 究」ですが、何とかそのスタートとしての 飯田研究会を終えることができました。  「今回の研究会の特長は、他地域が注目するような好事例を、当事者の心 に深く刻まれている意味のある具体的なエピソードとして直接耳にしたこと、 そして、それらの“新鮮な素材”を研究者の方がその場で“調理”し、一般 化を試みたところにあるのではないでしょうか。このライブ感に富んだ過程 を直接目にすることで、単なる視察や講演会では得られない深い理解につな がったように思います」駒ヶ根市赤穂公民館から特別参加していただいた塩 澤真洋さんの感想の中で、今回の研究会の性格をとてもわかりやすくまとめ ていただきました。  駒ケ根市では早速、来年1月24日、25日に、飯田研究会をモデルとした宿泊 型の職員研修会が行われる予定で、飯田研究会の最初 の波及成果といえるか もしれません。  九州大学八木信一先生のいわれる「飯田市の公民館主事たちには、住民を 巻き込んでいく能力ではなく、住民に巻き込まれる能力がある」という言葉 に飯田の公民館主事たちの姿が象徴されています。これは別の視点から見る と、住民側にも職員を巻き込んでいく力量があり、また住民と職員との良好 な協働関係が認められる状態ということもできるかもしれません。  世にいうスーパー公務員の中には、自分自身が住民を巻き込みながら、引 っ張っていくタイプが多く見受けられます。また、行政が主導した計画づく りに住民を参加させていくという姿を、多くの自治体では市民協働ととらえ ることがあるようです。  しかし住民自治とは本来、自治の主体者は住民であり、行政は住民による 自治の代理者という関係であったはずです。こう考えると優れた行政職員と は、住民自身に寄り添いながら住民感覚を養い、住民発の自治的な取組が創 発するようなサポートを基調とした、自治体職員としての姿勢づくりや政策 立案を行うことのできる職員、ととらえるべきではないでしょうか。  とはいえ飯田型の公民館の活動を通して獲得している「住民に巻き込まれ る力」とは、自治体職員に求められる力の基礎に過ぎないと考えています。 飯田型の公民館で育てられた現役の公民館主事や公民館主事OBの職員たちが 本当の意味で住民の自治的な取組から創発する政策作りを展開できているか と問うならば、課題は山のようにあります。  今回の飯田研究会を通して私自身が感じた飯田市にとっての課題は、公民 館主事や専門委員の活動経験を通して飯田市の職員たちが獲得してきた「住 民に巻き込まれる力」が、必ずしも飯田市役所全体に広がっているとは言え ないことです。  現場主義の職員に対するグループインタビューで、農業課の小室君や広報 秘書課の筒井君の育ちの過程に、元公民館主事であった松下文化財担当課長 の影響力があったことが見えてきましたが、公民館主事の経験を、一般行政 の職場の中で他の職員に伝えていくという広がりは、まだまだ一部の成果に とどまっているととらえています。  さて、現場主義をキーワードに様々なタイプに類型化して実施した飯田市 役所の職員や住民に対するグループインタビューを通して、飯田市の職員が どのような力量を獲得してきたかが明らかになってきた飯田研究会は、尼崎 市、松本市、駒ヶ根市など飯田以外の自治体から参加いただいた皆さんによ る飯田市職員の置かれた状況との比較の意見や、飯田研究会の企画のきっか けを作っていただいた京都大学諸富徹先生、九州大学八木信一先生、平成22 年度から継続して飯田市公民館との共同研究に関わっていただいた東京大学 牧野 篤先生、研究室の荻野亮吾さん、佐藤智子さんなど研究者の皆さんによ る言語化の知見の提供などがあって成立したものです。  共通する課題を抱える自治体間の共同研究に研究者の知見を加える運営方 式の有効性を確認することができました。  また、各市から参加いただいた職員の皆さんの、今回の研究会の内容を自 らの所属する自治体の改革に結び付けようという強い改革の姿勢は、受け入 れ側の飯田市の職員である私たちにとっても、自らの仕事に対する姿勢を問 い直すきっかけにもなっています。  今後この研究会の目指す方向は、学びに基づく住民自治の伸長と、住民に 寄り添いながら自治を支える自治体づくりや職員の意識づくりという目的を 一にする自治体のつながりを広げ、参加するそれぞれの自治体のもつ課題を 自治体間の交流を進めながらともに考え解決に向かうことを通して、自治と 協働を進める自治体間のネットワークを広げて行くことにあります。  次回は2月、「学びあう地域づくり」を進める糸口として「まちづくり大学 尼崎」の取組を始めようとされている尼崎での集会が予定されています。  飯田市においても、今回の飯田研究会の反省を活かし、今回以上に飯田の 抱える課題と、参加された方たちに対する研修要素を含んだ研究会とするべ く検討を進めてまいります。今後のこの研究会の広がりと深まりを祈念いた します。 -- ************************ 〒395-0085 長野県飯田市吾妻町139番地 飯田市公民館 副館長 木下巨一 tel 0265-22-1132 fax 0265-22-1022 e-mail ic1267@city.iida.nagano.jp 公民館には特定の役者も演出家も用意されていない。 舞台装置も脚本家も何もかも一切合財皆がやるのだ。 そして観客は一人も居ないのである。… 面白い芝居を見ようとするのではなく、 良い芝居を演じようとするのである。… 公民館には観客は一人も居ないのである。 〔昭和23年3月竜丘村(現飯田市竜丘)公民館報 第1号、初代教養部長橋本玄進氏の言葉より (「地域と公民館~自治への憧憬」(木下陸奥氏著、南 信州新聞社刊より引用))〕 ************************ ======================================================

■◆  第2回未来を拓く自治と協働のまちづくりを目指す研究集会開催                           のお誘い  ◆■  みなさま、ご無沙汰いたしております。船木@尼崎市です。  お元気でしょうか?急な寒波で、全国、寒さが募っておりますが、お風邪 などひかれませぬよう。  さて、飯田での、未来を拓く自治と協働のまちづくりを目指す研究集会か ら、早くも1年10ヶ月くらい経ちましたが、みなさまは、いかがお過ごし でしょうか?  そろそろ、第二回を!思い、飯田市の木下さんや、松本市の矢久保さん他、 内々でご相談しておりましたが、なんとか、尼崎で実施のめどが立ってきま したので、皆様にご報告&ご協力のお願いであります。  来年の2月21日(土)22日(日)の二日間で、尼崎市にて実施したい と考えております!。(発行人注:当初は1週間後の土日で案内がありまし たが、参加者の都合を考えて1週間早められました)  内容や規模等は、これからになりますが、まずは、実施に向けてご賛同い ただける方は、お返事をいただけると幸いです。 ===  尼崎市では、第一回集会で、船木がお話をいたしました「学習する地域」 構想を、具体的に形にするべく、積極的に動いております。 公民館を含めた社会教育分野の再生等、積極的に取り組んでいるところです。 学びや学習をキーワードに、町の財産をもう一度見つめ直し、人づくり、町 づくり、未来づくりにつなげてゆくべく、様々な取り組みを再編集している ところです。  また、先日の月刊社会教育に、稲村和美尼崎市長による、学習する地域に 関する寄稿もさせていただいておりますおで、よろしければ、ご参考くださ い。 ===  この間、飯田市の木下さんには、何度か尼崎市に足を運んでいただき、教 育委員会や市民協働部局との顔合わせ等関わっていただき、尼崎市側の関係 者の協力を引き出すことに、多大なるご協力をいただき、感謝いたしており ます。そのおかげをもちまして、なんとか、手弁当だけれども、形にしてみ ようと機運も盛り上がってきました。  また、この間、船木は偶然にも、長野県の総合計画に関する会合でのアド バイザーのようなお話もいただき、当時の文科省社会教育課長、現在は、長 野県教育長の伊藤さんにも、お会いして、意見交換をさせていただくなど、 旧交?を暖めつつ、第二回の開催を夢想しておりました。  ということで、まだ、何も(財源等も)決まっておりませんが、尼崎で、 来年の2月28日、3月1日に、第二回の未来を拓く自治と協働のまちづく りを目指す研究集会を実施したいと思いますので、宜しくお願いいたします! (あ~、宣言してしまいました。)  もし、ご賛同をいただけるようでありましたら、これから、実行委委員会 を立ち上げてゆきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ===  また、時間割、内容等は、前回準拠を目指しております。  初日の13時スタート、キーノート、分科会(3つ程度)、懇親会 翌日は、分科会(3つ程度)、まとめの会、12時解散、 の予定で考えて おります。  分科会の企画や内容は、まだまだであります。こんなことやりたい。私に 一コマまかせろ!的なことも大歓迎です。お正月の宿題でありますが、みな さん、策を練っていただけると幸いです。年明け早々に、運営に関するご相 談、企画募集もさせていただきたいと考えております。  なお、前回大会同様、基本的には自主事業となりますので、後援等の名義 申請で、資金調達ができますと嬉しいところです。船木には、その経験とノ ウハウがないものですから、こちらのご示唆、ご助力もお願いできればと思 います。                            船木 拝 (公民館再生メーリングリストへの投稿2通をまとめて転載しました。)

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■◆   「ESD推進のための公民館-CLC国際会議」の動画をyoutubeに                      アップしました   ◆■  本年10月9日から11日まで岡山市で開催した公民館-CLC国際会議は、 開催時にその様子をUstreamで生中継しましが、データ量の関係で画質はイ マイチでした。そこで、会議開催時に撮影していた動画をyoutubeにアップ しましたので、ご案内いたします。参加された方はもちろん、残念ながら参 加できなかったという方も、ぜひご覧ください。  youtubeサイトで「kominkan-CLC」で検索してください。たくさんの動画 がヒットします。  10月9日の全体会は「kominkan-CLCconference_plenary1」、二日目10月10 日の分科会は「kominkan-CLCconference_breakout1~7」、同日午後の分科 会報告は「kominkan-CLCconference_plenary2」、そして10月11日の全体会 は「kominkan-CLCconference_plenary3」で整理しています。それぞれ何本 もの動画にわかれていますが、末尾に番号が振ってあります。  なお、この動画は会場音声のみです。日本人の報告や発言は日本語で、海 外参加者は英語で話しています。字幕はありませんので、そのつもりでご覧 ください。

=========================================================== ◆◆   (社説)地方創生戦略 自治体の学び合いこそ ◆◆   政府が地方創生戦略と経済対策を閣議決定した。  創生戦略は東京一極集中の是正を掲げ、「地方から東京圏への転入を現状 より年に6万人減らし、東京圏から地方への転出は4万人増やす」といった 数値目標をちりばめた。さらに、全ての自治体に数値目標付きの総合戦略づ くりを求めている。自治体への財政支援の柱が、経済対策に計上した新しい 交付金だ。「自由度が高い」とうたい、創生戦略の目玉でもある。(中略) ■新たな住民組織作り  ヒントになったのが、合併に加わった旧掛合町だった。82年に島根県で 開かれた国民体育大会で相撲会場になった同町は、町民あげて全国から選手 や応援団を受け入れたことがきっかけで、住民活動が活発だった。  自治会を生かしつつ、消防団や農業関係の組織、学校のPTAなど地域の さまざまな団体を一つにまとめ、統廃合が進む小学校区ごとに地縁に根ざし た新たな組織へと作り直す。その活動拠点として公民館を交流センターに格 上げし、交付金を出して、生涯学習だけでなく防災や福祉、まちづくりなど さまざまな活動を後押しする……。  こんな構想を打ち出し、今では市全域に約30の地域自主組織ができた。 地区でただ一つの商店が撤退した後、旧小学校舎を使って住民管理でミニス ーパーを営んだり、住民が水道検針を受託して各戸の見回りを兼ねたりと、 全国から視察が相次ぐ活動が生まれている。  雲南市は自ら旗を振り、地域自主組織の全国的な推進組織を来年2月にも 発足させる。数十の自治体が参加するという。 http://is.gd/kk7fGW 2014/12/28【朝日新聞】 -------------------------------------------------------- ◆◆   根岸公民館職員募集のお知らせ  ◆◆ 根岸公民館では非常勤主事を募集いたします。 募集要項 ◇募集人員 2名(男女問わず 年齢45歳まで) ◇任期 1年で再任は妨げません ◇選考基準 (1)根岸地区に居住していること (2)パソコン操作(ワード、エクセル)ができること (3)地域の行事に関心があり協力的であること (4)車を運転できること ?勤務時間は、土、日、祝日を除いて8時30分~17時まで。週4日勤務。 ?年に数回休日出勤がありますが、その場合は平日に振り替えて対応します。 ?給与は月額108,000円。 ?年次休暇、特別休暇、雇用保険あり。その他市の定める服務規程によります。 ?災害時(緊急時)には公民館が避難所となり、勤務する場合があります。 業務内容 貸館業務、窓口業務、電話応対、講座の企画、講師の手配、講座の準備・後 片付け、館内外の点検、公民館まつりの企画・運営 http://is.gd/OAyE7W 【八戸市ホームページ】 -------------------------------------------------------- ◆◆ 伝統のしめ飾りなど三世代が満喫 八幡浜2 ◆◆  愛媛県八幡浜市川之石地区の「ふれあい三世代交流会」が7日、川之石小 学校であり、住民約250人が地元伝統の餅つきやしめ飾り作りを一緒に楽 しんだ。川之石地区公民館などの主催で6回目。餅つきでは「もっと力を入 れて」「頑張れ」といった声が飛び交うなか、大人と子どもが交代できねを 振るってもち米約75キロ分をつき上げた。特産のミカン入りもあり、手分 けして丸めた出来たてをみんなで味わっていた。 http://is.gd/xE6qek                        2014/12/09【愛媛新聞】 =========================================================== □□編集後記□□ ◆岡山市では毎年すぐれた実績を残した職員を表彰していますが、今年の職  員表彰で、岡山市立公民館草の根ESD推進チームが表彰を受けました。  公民館を拠点とした草の根のESD活動を推進し、その取り組みが高く評  価され、、本市ESD活動の推進と岡山モデルの発信に大きく貢献したと  いうのがその理由です。仕事収めの26日、市役所の7階大会議室に公民館  職員の代表が集まり、表彰式に出席しました。被表彰者は全公民館の館長  と社会教育主事、事務嘱託の面々。嘱託職員も表彰を受けるのは珍しいこ  とだと思います。公民館が表彰を受けるのにESD世界会議推進局が表彰され  ないのはバランスが悪いというので、われわれの局も「本市初の国連公式  会議「ESDに関するユネスコ世界会議」を誘致・開催し、本市のESD  推進モデルを「岡山モデル」として世界に発信し、評価を受けるなど、世  界会議の成功と本市の知名度向上に大きく貢献した」という理由で全員が  表彰を受けました。その中にはすでに他部局に異動した9人も、また兼務  併任の職員も含まれていたほか、不慮の事故で亡くなった職員も含まれて  います。中央公民館の重森さんなどは公民館と局の併任なので、両方で表  彰を受けています。公民館職員がこのような表彰を受けたことはかつてな  く、参加者の声などの外部の評価に加えて市役所内部での評価としても固  まることになるので、ありがたいことだと思います。 ◆いよいよ年末、大晦日となりました。今年は発行人にとっては国際会議の  開催というかつてない仕事に従事する貴重な体験をすることができた年で  した。その成果文書「岡山コミットメント2014」も含めた成果は、公民館  や社会教育行政全体を見ると厳しい情勢が続いているよう見える今、新た  な可能性が拓かれていくことを感じさせられるものでした。しかし、今号  で紹介した朝日新聞の社説にあるような、公民館を公民館以外の施設に変  える動きも強まっているだけに、考えなければならないことはたくさんあ  ります。国政に目を移すと公民館が誕生した時の人々の思いと全く逆方向  に進もうとする政権に国民がNOの意思表示を始めた、その意味で新たな  胎動が始まった年でもあったと思います。新しい年に新たな前進へとみな  さんと力を合わせたいと思います。来年もどうぞよろしくお願い申しあげ  ます。                          (光俊)

About Me.

「公民館の風」の発行人。岡山市で社会教育主事を30年あまり務め、中央公民館にも9年間勤務。現在、生涯学習課公民館振興室で公民館事業の指導等の仕事をしています。

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